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パルプ粘土でお団子づくり

 
保育製作
 
対象年齢 :
2歳児 , 3歳児 , 4歳児 , 5歳児


活動のねらい


  • トイレットペーパー素材を、風でなびかせる・水に溶かす・色をつける・固めるなど、様々に変化させ、身体中の感覚で関わることを楽しむ。

目次


  1. 材料・用具
  2. 活動のねらい
  3. 事前準備
  4. 保育の流れ
  5. 完成作品例
  6. 関連コンテンツ

材料・用具


  • バケツ(小)
  • トイレットペーパー(できれば再生紙でないもの)
  • 洗濯用合成水のり

事前準備


  • バケツに水を2cmほど入れておく。
  • バケツは3~4人グループに1個用意する。
  • バケツを使って粘土あそびなどをする場所には、ビニールシートを敷いておく。

保育の流れ


この活動では最終的に、トイレットペーパーでできた粘土状のパルプでお団子をつくるあそびに行き着きますが、それまでの過程一つひとつが子どもにとって身体中の感覚を使った楽しいあそびとなります。
じっくり時間をかけて行いましょう。


1.トイレットペーパーを手に持って、ヒラヒラ動かして楽しむ



1m程度にちぎったトイレットペーパーを子ども一人ひとりに渡す。

トイレットペーパーを風になびかせて活動を身体中で楽しむ。
◆保育者は、子どもたちと一緒に「クルクルクル…」と声を出しながら体を動かす。

○右手に持ってクルクル、右回りに回す。
※長いペーパーが円状に弧を描いて綺麗です。

○次は同じように左手で持ち、左回りにしてあそぶ。

園庭など、広いスペースで活動できる場合は、そのまま走ったりしてあそぶ。
◆ぶつからないよう、走る方向は決めておく。


2.ペーパーに水をつけ感触を楽しむ



バケツの中の水にペーパーを少しずつ入れて、感触を楽しむ。
◆ペーパーを水に浸け、手でクチャクチャともみほぐしたり、ちぎったりすることで感触の変化を楽しむ。

T「手に持って遊んだヒラヒラのペーパーをこのバケツに入れてみよう!」
T「どうなるかな?」

さらにペーパーを加える。
◆「もっとやってみたい!」という声を待ち、さらにペーパーを子ども達に渡す。
◆多めにどんどん渡していく。
◆ペーパーの分量は、バケツの水分が紙に吸収されて無くなるくらい入れる。

C「もっとやってみたい!」
T「まだたくさんあるよ」
T「紙がドロドロ状になるまで、水中で小さくちぎってみよう」


3.パルプを握って、粘土あそびをする



ドロドロになったパルプを握ると、お団子状のものができることを知る。
◆ドロドロ状のものを手のひらで握り、キュッと絞るように水分を逃すと、お団子ができる。
◆状況に応じて、水やペーパーを増やし、お団子づくりを楽しむ。

○4歳くらいまでは、ここまでの活動で十分に触感的な遊びを楽しむことができるでしょう。

※さらに、小さな容器や、卵パック、スプーンなどを用意しておくと色ごとに分けたり、食べ物に見立ててごっこ遊びに発展することもあります。



絵の具を加え、カラーのパルプ粘土をつくって粘土あそびを楽しむ。

○バケツごとに絵の具の色を変えると、様々な色のカラー粘土ができる。

※小さな容器や、卵パック、スプーンなどを用意しておくと色ごとに分けたり、食べ物に見立ててごっこ遊びに発展することもあります。


【応用編】(対象年齢:4歳~)
4.感触を楽しみながら、細かい粘土表現を楽しむ。


◆パルプの入ったバケツに水のりを入れて粘性を足すことにより、さらに遊びやすくする。
◆洗濯用合成水のりは化学製品なので、アレルギーや敏感肌の子どもへの配慮を行う。

[水のりの混ぜ方]

①バケツの中に水分がある場合は、先に水分を捨て、さらにパルプ粘土も絞って水分を逃しておく。

②パルプ粘土が入ったバケツに、合成水のりを入れて混ぜる。

※バケツに入れる水のりの量は、水を絞り出したパルプのかたまり全体に浸透するくらいの分量が適当です。
先ほどは水で浸されていたパルプが、今度は水糊で浸透すという感覚です。
水のりを入れると、パサパサしていた質感が、しっとりした質感になります。
ちょうど、手ごねハンバーグを作っている感じで、単純な形を形成できるくらいの粘性ができます。



バケツごとに絵の具を入れて、数色の色を作る。
握ってできたお団子をたくさんつくって遊ぶ。
○好きな色を組み合わせて、色団子や簡単な造形物を作る。
※市販の紙粘土ほど細かい表現はできませんが、簡単な形なら形成可能です。
のりが入っているので、乾燥させると固まります。

○画用紙にパルプを置いて乾かすと、そのまま画面上につくので、半立体的な表現ができる。


完成作品例


一つのお団子を大事そうに、手の中で丸めています。


お団子をたくさん作って、テーブルに並べています。


パックやプラスチックコップを用意しておくと、色ごとに分けたり、ごっこ遊びをしたり、遊びが広がります。


様々な色団子を作り、透明パックの中に並べています。


透明パックの中に、様々な色のペーパー粘土を組み合わせてデザインしています。


透明パックの中に、日の丸弁当を作っています。


ペーパー粘土を、画用紙の上において、半立体の作品を作っています。でこぼこの絵が出来上がり。


水糊を混ぜると、ハート形など簡単な形が作れます。色の組み合わせによる装飾も楽しめます。


風通しのいいところで、数日間、乾燥させると、カチカチの造形作品ができます。


保育者の声


  • 新学期のはじまりの時期、手の感覚を使った遊びは、泥遊びと同じで、子どもの心を解放し、緊張感がほぐれました。子どもたちは「ふわふわ〜」「どろどろ」「ぺちゃぺちゃ」「きもちいい〜」など、感覚的にこの教材に関わる様子が見られました。
  • はじめは、どろどろ状のパルプに触るのを嫌がる幼児もいましたが、無理をさせずに見守っていました。すると、友達がお団子を作り始めると、やはり楽しいと思ったのか、活動に参加しました。
  • 細かい装飾部品の組み合わせがある場合は、半乾きの時に水に溶かした木工ボンドをかけておくと、確実に固まります。

まとめ


  • この教材は、春から夏にかけて水を触るのが気持ちいい時期に向いています。
  • トイレットペーパー素材を、風でなびかせる、水に溶かす、色をつける、固める、など、変化させるごとに、そこに関わる子どもたちの感覚もどんどん変化していきます。
  • 何かを「つくる」ということではなく、様々な感触を十分楽しめる造形遊びの活動です。

アドバイザー・協力園


アドバイザー:栗山 誠


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